APPLIcation
アプリケーション
私たちの可視化技術は、過酷な廃炉現場から宇宙探査、そして次世代のがん治療まで、従来の限界を超えたソリューションを提供します。放射線を精密に「捉え、描く」ことで、安全な社会の構築と、未知なる領域の開拓を加速させます。
What is ETCC
世界初、ガンマ線の完全可視化
Electron Tracking Compton Camera(電子追跡型コンプトンカメラ)。
光学カメラのようにガンマ線を撮影する、世界で初めての可視化技術です。
見えない光を、
正しく描く。
2017 年、京都大学大学院 理学研究科の谷森 達 教授(現 名誉教授)と高田 淳史 准教授らの物理第二教室宇宙線の研究グループが、世界で初めてガンマ線の完全可視化技術を開発しました。遠隔から放射線を、画像として計測することを可能にした画期的な成果です。
翌 2018 年には、この技術を用いて天の川銀河から到達する銀河中心拡散ガンマ線の直接観測に成功。光学カメラが被写体を撮影するように、ガンマ線を撮影できることを宇宙空間で実証しました。
この技術は ETCC(Electron Tracking Compton Camera/電子追跡型コンプトンカメラ) と名付けられました。放射性物質を画像として計測し、線量を定量的に算出できる「画像計測線量技術」として、社会実装を進めています。
原子力発電所の廃炉、月資源探査、核医学、核セキュリティ、核融合など——ETCC の応用可能性は、現場の課題と研究フロンティアの両方に広がっています。
Radiation Image Monitoring
放射線施設の画像線量モニタリング技術
微量の放射性ガス流出を、3Dの動画として捉える。放射線プルームの3D観測にも使えます。
原子力施設のオンラインイメージングを実現します。
微弱な漏出を、
動画として可視化する。
ETCC を用いて、駆動中の小型原子炉において、法令基準よりもはるかに微量な放射性ガス流出の3D動画化と定量計測に成功しました。従来は計測が困難であった微弱な放射性ガスについて、発生位置や拡散の時間変化までを、動画として捉えられるようになりました。
これは、原子力施設における微弱な放射線変化のオンラインイメージングを実現する技術として位置づけられます。点ではなく面で、瞬間ではなく時間軸で、放射線の挙動を理解できることが、施設運用や安全管理の質を変えていきます。
今後は、AI を含む画像処理技術と組み合わせることで、異常の初期段階での検知と迅速な対応を可能にしていきます。技術検証と現場運用を重ねながら、社会実装の精度を高めていきます。
Application Fields
応用分野ETCC の可視化能力は、地上のクリティカルな現場から、宇宙空間や次世代エネルギー領域まで広がっています。
放射線計測
廃炉・クリアランス・環境モニタリング原子力発電所の解体現場や周辺環境に存在する放射線の状況を、遠隔から画像として捉える。点ではなく面、瞬間ではなく時間軸で、現場の安全と効率を支えます。
- 01 原子力発電所に存在する放射線の状況を、遠隔からの画像計測で可視化することができます。
- 02 空中を含めた広域の放射線分布を、3Dの画像データとして取得することが可能です。
- 03 ETCC が提供する空間分布データは、放射線の拡散予測モデルの精度向上にも寄与します。
- 04 過酷な現場における作業効率の向上と、作業者の被ばく低減の両立が期待されます。
核医学・放射線画像診断
ETCC は、SPECT や PET といった従来の核医学画像法が抱えてきた課題に対し、新しい解決の糸口を提供します。低被ばく、低コスト、そして革新的な薬物動態モニタリングへ。
- 01 診断と治療を一体化する「セラノスティックス(Theranostics)」の実現において、重要な役割を果たし得る技術として位置づけています。
- 02 SPECT・PET など従来の核医学画像法の課題を、新しい計測原理から解決していくことが期待されます。
- 03 低被ばく・低コストで、革新的な放射性同位元素(RI)薬物動態モニタリングを実現できる可能性があります。
PETでは見えない核種の薬物動態確認が可能
人体診断に対応可能な小型ETCCによるマウスの分子イメージングを行った。PET用薬剤を投与し、5分撮像で腫瘍を検出し、腫瘍から膀胱まで薬剤が移動する画像の撮像に成功した。
| Nuclide | Ce-139 | Cr-51 | Ba-133 | I-131 | Au-198 | Na-22 | F-18 | Cu-64 | Cs-137 | Mn-54 | Fe-59 | Zn-65 | Co-60 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Energy [keV] |
167 | 320 | 354 | 364 | 410 | 511 1275 |
511 | 511 | 662 | 835 | 1095 1292 |
1116 | 1173 1333 |
| Life | 137.6 day |
27.7 day |
10.52 year |
8.01 day |
2.6 day |
2.609 year |
109.8 min |
12.70 hour |
30.04 year |
312.1 day |
44.5 day |
244 day |
5.271 year |
※横スクロールでご覧いただけます。
核セキュリティ
核テロ対策公共空間の安全を、静かに、確かに守る。遠隔からの画像計測という ETCC の特性は、CBRNE 対策・核物質の検知と状況把握に新しい選択肢をもたらします。CBRNE の放射線・核対策の切り札になります。
- 01 核テロや、放射線拡散を目的としたダーティボム等への迅速かつ的確な対応を、検知と画像化の両面から支援します。
- 02 核物質の検知と状況把握に貢献することで、核セキュリティ体制の強化につなげていきます。
- 03 遠隔からの画像計測という ETCC の特長は、空港・港湾・公共施設・国境管理など、安全確保が求められる現場で有効性を発揮し得ます。
- 04 関係機関との継続的な対話と検証を通じて、社会実装に向けた段階を進めていきます。
宇宙・月資源開発・核融合
地上の安全から、宇宙の未開拓領域、そして次世代エネルギーの中核へ。ETCC の可視化能力は、フロンティア科学にも届きます。
- 01 本領域は内容上、宇宙・月資源開発と核融合という2つのテーマを含みます。以下、それぞれ詳しくご説明いたします。
宇宙・月資源開発
- 01 2018 年、天の川銀河を観測した JAXA と京都大学による共同実験において、宇宙空間でも ETCC のガンマ線イメージング能力が実証されました。ノイズが溢れる宇宙の環境下でも、ガンマ線を画像として捉えられることが示された画期的な成果です。欧米の研究機関が10 年かかってもできなかった撮像を、一日で実現しました。
- 02 ガンマ線観測から得られる元素分布データは、月の資源マップ作成への貢献が期待されます。将来的な月面資源探査の実現に向けた重要な手段の一つとして位置づけられます。
- 03 宇宙空間という極限環境での運用には、放射線耐性・低消費電力・通信制約への対応など、多くの技術的検証が必要です。研究機関との連携を通じて、中長期的な展開を見据えています。
銀河のガンマ線映像の撮影に成功
欧米の衛星が10年観測しても見えなかった銀河のガンマ線撮像に、JAXA 大型気球を利用して1日で成功しました。
核融合
- 01 核融合炉のプラズマ中における高速イオン挙動の可視化に、ETCC の応用可能性があります。プラズマ中で発生するガンマ線・中性子由来の二次放射線を、空間分布として捉える取り組みです。
- 02 ノイズを物理的に排除する ETCC の計測原理を活かし、プラズマのどこで異常が起きているのかを特定する手段としての活用が研究されています。
- 03 核融合炉の安定した運転と精密な制御に寄与する可能性があります。研究機関・産業界との連携を重ねながら、検証を進めています。
技術の可能性を、
社会の実装へ。
ETCC の応用領域や技術活用に関するご相談、共同研究、導入検討については、
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